静岡市立清水病院
杉山 弘樹|昭和薬科大学
自分自身・組織のレベルアップを目指して
私は4年制最後の薬学部生で、昭和薬科大学を卒業し2009年に当院に就職しました。
大学時代は東京都町田市に住んでいました。町田は駅周辺は栄えているのですが、少し離れると自然もあり、大学周辺は閑静な住宅街で大変住み心地の良い場所でした。東京での生活にも慣れ、卒後は都内の薬局に勤務することを考えていた時期もありました。
病院への就職を希望するようになったのは、3年時に当院で実習をさせていただいてからでした。「ただ実家に近いから」という理由で情報も殆ど調べずに立地だけで選択した病院でしたが、薬剤部長をはじめ薬剤師の皆様に暖かく迎えていただき、多くのご指導をいただき感激しました。当時は病棟薬剤師もおらず、外来化学療法施行患者さんへの対応なども行われていませんでしたが、臨床での活動は大変刺激的で勉強になり、病院志望(というか、当院志望)となりました。
就職後は1年目より、がん患者さんの薬剤管理指導に従事させていただいたことでがん領域に関心をもち、2016年にはがん薬物療法認定薬剤師の資格を取得しました。その後、緩和薬物療法認定薬剤師、がん薬物療法専門薬剤師等の資格も取得し、現在は主に外来でがん化学療法 ( 抗がん剤治療 ) を受けられる患者さんのために活動しています。また医師や病棟看護師、病棟薬剤師から依頼があれば、入院患者さんに対してもがん化学療法に関する説明等を行っています。
当院に就職したことで多くの事を学ばせていただき、資格取得だけでなく、貴重な経験を多数させていただきました。病院、薬剤部に感謝しています。
抗がん剤投与時の不安や副作用を軽減させることは、治療を滞りなく継続させるためだけでなく、患者さんのQOLを向上させるためにも大変重要です。がんを告知され治療を受けられる患者さんが、少しでも安心して過ごせるよう努めるのが現在の、そしてこれからの私の役目であると考えています。
近年は、学会での発表や論文執筆、講演にも注力しており、自施設のみならず薬剤師の業界に対して貢献できるような活動をしたいと考え、日々奮闘しております。
当院薬剤部には、がん薬物療法認定薬剤師以外にも感染制御認定薬剤師、栄養サポートチーム ( NST ) 専門療法士、糖尿病療養指導士、日本薬理学会認定治験コーディネーター ( CRC ) などといった専門資格をもつ薬剤師が在籍しており、それぞれが専門的な知識を活かし日々患者さんのために活動しています。
薬剤師は医師や看護師と異なる立場、目線で患者さんに寄り添い、薬物療法を通じて患者さんのQOL向上に寄与できる特異な職種です。皆さんの力を必要とする患者さんがいます。是非、当院に見学にいらしてください。