患者様、従業員同士のファンづくりを
大切にしている薬局運営
株式会社ニシマチ(東京都)
代表取締役:佐藤雅英
本社:東京都 出店エリア:東京都 店舗数:4店舗
創業:1985年 従業員数:30名
先代から引き継ぎ6年の歳月が経ち、これまでの良い風土を残しながら次世代の調剤薬局を作ろうとしている佐藤社長。理念に「ご縁を大切にする。」人との結びつき、関わり合いを大切にする調剤薬局の運営を心がけている。会社を引き継ぐ前は、全く別業界に携わっていたが、薬局の在り方、存続するための考え方など、別業界出身の感性を活かして薬剤師育成にも力を入れている。
患者様、従業員同士のファンづくりを大切にしている薬局運営のお考えを聞いてみた。
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社長になった経緯を教えてください
先代である父親の他界が、きっかけとなり社長を務めています。私は、一般の大学を卒業し、専門商社に就職しました。私が子供の頃の家業は、現在の保険薬局ではなく旅行業を営んでいたこともあり、薬学部に進むことや薬剤師になることは考えていませんでした。
私が就職活動をしている時から、なんとなく「経営という仕事に携わりたい」という思いはありました。ただその時は薬局の事業を承継するということは全く考えておらず、現在薬局の経営に携わっているのはまさしくご縁だと思います。 -
ご苦労などはどのようなことがありますか?
薬局業界の経験が無かったので、経営の面を含め、保険調剤全般のことを把握するのに苦労と勉強の日々でした。商社や一般企業のような利益構造でなく、制度ビジネスの観点から難しさを感じました。薬剤師ではないので、現場での経験ができるわけでもないですし、薬剤師の皆様のように薬局運営を直接携われることも無いので、知識を積み上げるのに苦労しましたね。それでも、嫌になることもありませんし、しんどい気持ちになるような苦労はありませんでした。業界内で知り合う方も多く、たくさん勉強をさせていただきました。もちろん今でも勉強中です。
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薬剤師、スタッフの皆様との意志の共有はいかがですか?
社員との共有は、以前商社で勤めていた時と何も変わらないですね。薬剤師だからとか医療従事者だからと、言われることもあると思いますが、接し方が変わることはありません。ただ、目標を持つことや、数字的な意識を持つことは業界全体的にまだまだできていないことなので、当社スタッフには段階的に会社の方向性や考え方を伝えています。期ごとに会議をすることや、管理者との打合せを持つことにより、同じ思いを持ちながら仕事ができるように動いています。
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世代交代をしても持ち続けてもらいたい思いは何ですか?
「ファンをつくること」ですね。かかりつけ薬剤師の制度はありますが、制度があるからではなく、一人一人にファンが付いてくれることは、当社の薬剤師はできています。その次の段階として、薬局店舗にファンが付いてくれることに向かわなければなりません。さらには会社にファンが付いてくれることです。そのためには、薬剤師個人の力だけではなく、会社が様々な企画を出して地域の皆様が、薬局に立ち寄ってくださるように努力をしなければなりません。どこの会社もそのような力を入れていらっしゃるので、当社もそのような動きを始めています。まずは、一人一人が患者様に寄り添い、自分のファンをつくることを忘れずに活躍して欲しいと願っています。
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今後の展望はどのようなものですか?
出店も考えていますが、まずは既存薬局の在宅を受ける範囲(2Km)とご年配がゆっくり歩いてお越しになれる範囲(500m)の患者様となる可能性のある方全員が、信頼して当社のスミダ薬局をご利用いただけるようになることを考えて運営を続けます。この範囲に合わせて店舗が数店舗増えていくことができれば、まずは一つ目のゴールになると思っています。そのためにも、ファンを作り・増やし・信頼されて、患者様のためになる会社に成長できればと思っています。
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社長が生きていく上で軸にされていることはどのようなことですか?
「勝ちたい」「選ばれたい」「必要とされたい」と思って生活も仕事もしています。誰もが思うことだと思うのですが、どのような状況になってもこの気持ちを持っていれば、迷いもなければ怯むことも無いですね。選ばれたい気持ちは、薬局運営では欠かせないことで、常に選ばれたいという気持ちを持ち続けていると、選ばれるためのアイデアも出てきますし、スタッフとも共有が計りやすいです。生きていく上で軸になることは、大切に持ち続けていきたいです。
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どのような薬剤師と働きたいですか?
信頼できる人、「相手のために」という気持ちを持っている人ですね。「自分のため」という気持ちも必要ではありますが、相手があって仕事もご縁も生まれてきます。相手の気持ちに立った対応を心がけていると自分にも返ってきます。
全ては「ご縁」です。理念にも掲げていますが、ご縁という結びつきがあって、自分が生かされています。そのことに感謝して、思いやりを持って接し、貢献していけることを思い、一緒に働いていただける方とのご縁を待っています。