「必要な時に必要なものを」相手の立場に立ったことをやること
あつみ薬品株式会社(東京都)
代表取締役 松本正
本社:東京都 出店エリア:東京都・埼玉県・千葉県 店舗数:12店舗
創業:1957年 従業員数:70名
いつも心温まる対応、笑顔で優しく話しかけてくださる松本社長。たくさんのご苦労もあったはずなのに、そのような素振りも偉ぶることもない、常に真摯な対応をされる姿が素敵な経営者。常に従業員のことを思って、サポートしている松本社長の薬局・薬剤師に対する思いを聞いてみた。
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当時の学生生活や就職はどのような感じでしたか?
医薬品卸の会社に就職し社会人のスタートを切りました。明治薬科大学を卒業したのですが、当時は今のように薬剤師として働くことを考えていたわけでもなかったですからね。学生の時は、空手部に所属していて部活ばかりでした。部活のおかげで人との繋がりもできて、今でも大学時代の仲間と付き合いもあり、前職の卸会社の仲間や関係者ともお付き合いが続いています。ほとんどの仲間が仕事に繋がっています。人付き合いの大切を感じますね。
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あつみ薬品とは、どのようなきっかけで出会ったのですか?
義理の父親が経営していた会社が、あつみ薬品でした。卸会社を退職して、あつみ薬品を経営することになったというのが経緯になります。当時の薬局はOTCの時代で、ご近所の方が風邪にかかった時、ご病気になった時に相談しに来店されていました。私がお薦めする薬が効いて喜んでくださったり、そしてまた相談に来店されたりと単純なことでしたが、すごく嬉しかったですね。薬の説明をすること、しっかりと相手の話を聴くことが基本で、今もこの気持ちは変わらずに持ち続けています。そして大切なことは、黙って待っていてもお客さんは離れていきますので、こちらから積極的に前に出て行くことことです。仕事の原点ですよね。この気持ちは、保険薬局で処方せん受付をする仕事でも同じことだと思っています。
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外来受付だけでなく、在宅を早くから取り組まれていましたね
そうですね。薬局でお客様や患者様を、待っているだけではダメだと思っていました。問屋さんのように表に出て行くことが重要ですよね。患者様のためにできることを考えると、在宅を実施することでした。医療機関と連携し、すぐに100人を超える在宅患者様の対応を実施し、徐々に対応を増やしていきました。早くからクリーンベンチ、安全キャビネットの設備投資も行なってきており、現在はターミナルケアにも積極的です。患者様がお待ちになっているのであれば、採算を考えず積極的に私たちは薬局から出て行くことが大切です。「必要な時に、必要なものを」という考えです。
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社長のお言葉から利益や売上のお話が出てきませんが・・・
「後から付いてくるものですよ」。私は、お金のことだけでなく、やれることはやっていれば、後から還元されると思っています。欲を出さずに、困っている人がいればそれを助けることや、悩んでいる人がいればそれにお応えしたり、話を聴いたりして、現状の課題を解決していければ良いと思っています。人生ってそんなものだと思いませんか(笑)
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薬剤師や薬局に必要なことは何だとお考えですか?
薬局はサービス業。まずはそのことを理解して動かなければならないと思いますね。それと、もっともっと勉強をして欲しいと思っています。薬剤師としての知識だけではなく、社会人力や人間力も含めてです。
薬剤師の仕事は、「信頼を繋げること」「患者様やお客様から選ばれること」「相手の立場に立った説明や対応ができること」が必要ですからね。そのように考えると、「昔の薬局に戻りなさい」と国の制度は言っているのだと、私は思っています。かかりつけ薬剤師の制度があるから、その制度に従って仕事を全うするのではなく、昔の薬局のように地域の皆さんと触れ合い、話をして健康維持向上を担っていかなければならないと思っています。
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どのような仲間と仕事をされていきたいですか?
成績が良くなくていい。それは頭でっかちになってもらいたくないからです。気持ちよく一緒に仕事ができる人は、「誰にでも優しくできる」「相手の立場に立つことができる」「気付いた事は率先してやる」「人が嫌がることはやらない」のような仲間と一緒に仕事をしていきたいですね。もちろん全てがあてはまる人でなくてもいいですけどね。
あとは「挨拶」がしっかりとできることは大切です。全ては、挨拶から始まりますからね。チーム力も必要になる仕事なので、熱い気持ちを大切に一緒に頑張ってくれる人をお待ちしています。