貴重な経験、人との出会いが大切。患者様に向き合っていることが楽しい。
オノミチメディシン有限会社(広島県)
代表取締役社長 水尾力
本社:広島県 出店エリア:広島県 店舗数:7店舗
設立:1999年 従業員数:30名
社長業よりも、患者様に寄り添った薬剤師・医療人として活躍する方が向いていると、笑いながら気さくに話をしてくださる水尾社長に、これまでのキャリア、社長に至るまでを聴いてみた。
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社会人のスタートは薬剤師からでしたか?
当時は、薬剤師になるために薬学部に進学する人が多い時代ではなかったので、私もその類の考えで薬学部を選んだ人でした。当時は、まだ病棟薬剤師としての働き方が始まったばかりの頃でした。大学院の実習で病棟経験をしましたが、まだまだそのような時代でもありましたので、製薬企業へ就職し工場勤務でしたね。品質管理のような部署に配属となりクリーンルームに入り環境管理、工程管理の仕事を日夜働いていました。工場の現場で機材関係のメンテナンスなどの管理に携わり、夜勤もあり、薬剤師と無縁な仲間と働いていましたね。本来は製剤の品質管理などができるものだろうと思って入社したのですが、社会の厳しさを知りました(笑)。希望とは違ったスタートを切ったかもしれませんが、それはそれで、今では良い経験でした。
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薬剤師としてのスタートはどのような経緯ですか?
製薬企業から転職するきっかけは、仕事に辛さなどがあったわけではないですが、なんとなく単調な仕事だと感じたことがきっかけではありましたが、家族のことなどもあり地元に帰って仕事をしようと思ったことがきっけでしたね。薬剤師のことを何も知らずに地元に戻るのが嫌だったので、薬剤師として保険薬局を経験してから地元の福山に戻ってきました。戻ってきた時には独立を考えた時期でもあり、お声もかかっていたのですが時代背景もあり、独立せずに病院、保険薬局をいくつかの会社で経験をしました。病院では、院外処方箋の準備をすることなど、あまり関われない仕事も経験しました。
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現在に至るまでにたくさんの経験をされてきていらっしゃいますね。
ある薬局で勤めていた時は、ドクターが介護施設を建てるという話しがあり、そのサポートもさせていただいたこともあります。施設の設計などに関わることもしてきましたね。入所者さんの受け入れのサポートもしてきました。薬局薬剤師の仕事をしながら、このようなサポートをする中で、ケアマネージャーなどとの関わりもありたくさんの勉強をしてきましたね。1日の仕事が終われば、ドクターや関係者の方々と毎晩のように夜な夜なお酒を飲みながら語り合ったことを覚えてますね(笑)。仕事じゃ無いような仕事をしてる感じですが、楽しかったですよ。
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施設の立ち上げの経験や多くの経験が今に役立っていますね。
そうですね。ドクター含め医療関係者、介護施設関係者の皆さんとは良い関係でいますね。お互い思ったことを伝え合えますし、意見交換などもしやすい関係です。たくさんの経験が今に生かされていますね。
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オノミチメディシンに入社されたきっかけは?
大学院時代の実習先の病院で、先輩薬剤師である当社の会長と出会っていたことが始まりですね。実習時は大変お世話になったのですが、地元に戻ってきてから連絡をしていなかったんです(笑)。「福山に戻ってきました」と挨拶をするのも恥ずかしいし、戻ってきたことに対して怒られんじゃないかと思っていたので・・・(笑)。ある日、私が戻ってきていることを会長が知られて、連絡がきたことがきっかけで、仕事をご一緒することになりました。薬剤師会の会長をされていたこともあり、その関係で薬剤師会の手伝いをすることになり、総合病院の院外処方箋の準備に関わるなどしているうちに、オノミチメディシンに入社する運びとなって、2年ほど前に代表取締役社長に至っています。
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ビジネスと患者様とどちらに向かって仕事をされていますか?
私は、患者様と向き合って仕事をするのが楽しいタイプですね。人との出会いの中で、たくさんのことを経験してきましたが、自然と誰かの手助けになることをして、それがその時楽しいと思ったからやってきただけだと思います。ビジネス的な感覚はなく、その時与えられたことをやってきたという感じです。
社長としての立場はありますが、社長をやりたいと思って引き受けたわけではないですね。だからと言って、社長業をおろそかにしているつもりはないですよ。いつも患者様に気持ちが向いていて、「患者様のためにできることは何か」を考え患者様のことを思って、仕事をしていますし、これまでもそうしてきました。 -
どのような薬剤師と働きたいですか?
医療人としての自覚や責任を持って仕事をしてもらいたいと思っています。そして、患者様との目線を上からではなく同じ目線で一緒になって親身に対応ができるようになってもらいたいと思っています。先生と言われることで、こちら側の知識をひけらかした態度で対応している薬剤師がまだまだたくさんいます。患者様の生活環境を含め、相手のことをしっかりと聞き出し、健康面、病状や症状を理解し、薬のことを含めた様々な情報を丁寧に提供できる薬剤師として活躍してもらいたいと思っています。影響力を与える仕事なので、責任を持った医療人として成長できる皆さんとご一緒できればと思っています。