やることをやっていれば
楽しく仕事ができる
株式会社アビメディカル(大阪府)
代表取締役社長 保田 佑馬
本社:大阪府 出店エリア:大阪府 店舗数:28店舗
設立:1999年 従業員数:130名
設立から早い段階で、店舗を拡大されてきたアビメディカル。先代から引き継いで間もない保田社長は、これからの更なる発展に意気込んでいらっしゃり、薬剤師のこと従業員のことを大切にし、信頼関係を築き上げている姿が頼もしく映る。そんな頼もしい社長に、社長を引き継いだ経緯や薬局・薬剤師への考えを聞いてみた。
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先代から引き継がれる気持ちはいつ頃から芽生えましたか?
先代は私の父親になりますが、会社を継いで欲しいと言われたことがなかったですね。父親から、中学時代までは会社のことについては何も話をされたことがなかったのですが、1店舗目の富田林店に連れて行かれたことがありました。薬剤師の方々から子供の私と楽しく話をしてくださったのですが、その時でも薬剤師になろうと思うことはありませんでした。ただ、なんとなく思うのですが、薬局を直に見て、薬剤師と少しの時間でも触れ合うことで、何も言わない父は無言のメッセージだったのかもしれませんね。高校時代、やんちゃな私だったのですが、大きな怪我をして入院することがあり、「このままの自分でいていいのだろうか」と我に返って考える時間ができて、薬剤師になって将来親の会社を引き継ごうと思ったことがきっかけです。勉強もろくにせずにいた自分が、大きく変わっていった時期だったと思っています。知らず知らずの内に、親からのメッセージが発信されていたんでしょうね。
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新卒から御社に入社されたのですか?
すぐに入社する予定で動いていたのですが、実は大学の同級生を会社に誘って私含めて5名で入社予定でした。当時は、まだ店舗数も今ほどあったわけではなかったので、先代から「お前はすぐに必要ないから、会社をいずれ引き継ぐから勉強してこい」と言われて、今後必要なビジネス英語を学びに留学することに急遽決まり、すぐに入社をしなかったんです。しかし、先代が病気になったため、留学に出たのはいいもののすぐに戻ってきた経緯があります。新入社員としては半年遅れて入社という感じですね。戻ってすぐに、薬局で働いていましたね(笑)。現在も、誘った同級生は一緒に働いていますし、その後の後輩も入社してくれています。まだまだ若いメンバーですが、会社の重要な立場で活躍をしてくれています。
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お知り合いや後輩が入社される関係性はすごくいいですね。社長の牽引力や魅力があるんでしょうね。
みんながどう思っているのか分かりませんが、私はそのように感じることはないですね(笑)。先代は、ここまで会社を急成長させて、多くの薬剤師や従業員の皆さんが、辞めずに活躍してくれている状況を作っていったので、カリスマ性なのでしょうか、人を引っ張る力があったのだと思います。しかし、私はそこまでの力があるとは思っていないです。ただ、謙虚さを持ち続けることは、大切にして生きるようにしています。相手の気持ちを汲み取ること、人の話を聴くことなど、仕事の際は自分にも言い聞かせていますし、周囲にも伝えるようにしています。先代が「太陽」のようであれば、私は「月」のような存在ですね。
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そのような感性はいつ頃から生まれていますか?
私は、あまり人前に出たくないタイプで、陰で動くタイプなんです。昔ながらの「俺について来い」というタイプの先代と、従業員の間に挟まれてその間を調整することや、その場を静かに納めることをするような私がいました。会社環境でも、家庭環境でも同じような立ち位置にいたことが、このような私になったのかなぁと思っています。私の適正が、今の社長という立場になって生かされているのだと思っています。
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社長としてマネジメントとして、薬剤師や従業員への向き合い方はどのようにお考えですか?
それぞれの立場によって向き合い方や期待は変わってきますよね。パートで働きたいと思っている方であれば、勤務地や休みなどその人に合った待遇を考えて配属し、その労力に見合った働きを期待しますし、管理職であれば、欲を持ってもらいたいです。欲が無ければ頑張ることができないと思っています。家を建てたい、いいクルマに乗りたいなどのプライベートのことでもいいです。線引きをするということではなく、人それぞれに合わせて向き合っていきたいと思っています。新卒者であれば、地域医療に貢献したい、患者様にしっかりと向き合いたいという薬剤師らしい気持ちがあれば良いと思います。医療従事者として活躍できる場を提供できる環境があるので、それに則した考えの方に入社していただき、私はそのような考えに向き合っていきます。柔軟性のある若い会社なので、頑張り次第でなんとでもなりますので、しっかりと新卒者の成長を期待し見ていきます。
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これまでの過程を聞いていて、楽しそうに見えるのですがいかがですか?
楽しく仕事をすることが重要だと考えています。楽しく仕事をするというのは、ただ笑って、おしゃべりしてということではないのは当然のことで、やるべき仕事をすれば楽しさは出てきますし、楽しく仕事ができているのだと思います。やることをやっていないから、楽しくないんですよね。やることをやっていれば、気持ちよく休めるし、気持ちよく連休をとって海外旅行にも行けます。当社は、楽しく仕事ができるように言葉をかけ、楽しさがわかるように仕向けるようにしています。
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今後のビジョンはいかがですか?
ここまで急成長をしてきたので、更なる成長をすると考え100店舗を目指して動いています。やることはたくさんありますね。まだまだ組織ができていないので部署が増えていくでしょうし、それぞれの役割も多岐に亘っていくと思います。当社にとっての良い人材も採用していかなければならないですし、人を成長させていかなければなりません。会社が大きくなるにつれて、やることがどんどん増えていきますが、若いメンバーだからこそできることを頑張ってやっていきたいと思っています。